2005 第9回大阪・淀川市民マラソン
ー淀川のかたきは淀川でー
 10月16日の滋賀県マキノ町での「健康栗マラソン」から3週間、11月6日に高槻と枚方の間の淀川河川敷での「大阪・淀川市民マラソン」のハーフを走ってきました。また走ったのと?と誰かから言われましたが、また走りました。このレースは昨年初参加しましたが、どうゆうはずみか調子を崩し、はじめてリタイアを経験するというショッキングなレースとなったこともあり、今年は断固としてリベンジするとの決意で参加いたしました。

 日本海側を前線が通過するとのことで日ごとに天気予報が悪くなり、遂に朝起きたときから雨が待っていました。雨はそれほど嫌いでもなく、また強い雨でもありませんでしたが、河川敷コースではかなりの風が吹き、ほとんどが舗装されてはいてもでこぼこの多い河川敷コースの至る所に水たまりという悪コンディションになっていました。

 今回のレースではこれまでと大きく違うことがひとつありました。それは事情があってシューズを変えたことです。ナイキの"Zoom Air Katana Cage"という、サブフォーねらいのランナーが履くように設計されたシューズでした。レース前2週間くらいの間に3度ほどロードで走ってみて驚きました。いつものレースで使う"Skysensor Japan"(アシックス)より40gほど重いのですが、非常に衝撃吸収性と反発性の強いシューズで、その特性をうまく使って走ると大変楽で、通常のロードのコースを走ってもタイムもよく、かなり余力がある感じがしました。今回初めてレースで使うことにし、その結果を楽しみにしていました。

 当日はハーフマラソンのタイム制限が4時間ということもあって参加者も多く、最初の2キロくらいは大変な混雑。お陰で、その混雑だけで2分以上のタイムロスをしました。まあ、それはスタート時点で前におればよかったのですが、あまり前だとスタート直後からすっ飛ばしてしまい、昨年の二の舞になる可能性もありましたので、最初はゆっくりにならざるを得ない中頃からスタートすることにしました。

 前半2キロくらいからキロ5分のイーブンペースに持ち込みましたが、あちらこちらにある水たまりを避けるためにコンクリート舗装道路と脇の芝生の間を行ったり来たりし、それににかなりのエネルギーを使ってしまいました。それにもかかわらず後半は、ほとんど追い抜き専門で、追い抜かれたのはほんの数えられるくらいだったと思います。そのスピードと持久力を保証したのは、積み重ねたLSDと多分新たに使い始めたシューズだったような気がします。トレーニング時と同様脚へのダメージが非常に少ない感じがしました。

 今回の手元のタイムを下に記しますが、15キロと20キロの標識を見つけられなかったので、5と10キロしかありません。しかし、残り8キロからのデータが取れていますのでそれを換算します。

5km 26:51 26:51
10km 51:31 24:39

残り 8km 39:15(24:32/5km)
ゴール 1:46:10(公式タイム 1:46:54)

タイムは手元の時計で1時間46分10秒で、帰りにもう少しスピードを上げようと思っていましたが、かなりの向かい風と雨と水たまりに苦しめられ、それでもなんとか残り8キロを39分15秒で頑張りました。向かい風と悪路の残り8キロをよくこのタイムで走ったと感心しています。申し分のない条件だったらひょっとして念願の40分の壁が切れたかもと、少し残念なような気もしますが、この悪条件の中ではこれ以上望むのは無理と考えています。1時間40分の壁を切るための時速12.7キロを21.0975キロ維持するのは若い人にとってもかなり大変ですが、この歳の私にはそれ以上に大問題です。

 昨年のこの大会でのリタイアは私に多くの示唆を与えてくれました。その結果、練習内容とレース戦略の変更を決断でき、さらにこれまで手をつけていなかった高コレステロール血症の治療も始めることになりました(本ホームページ、「体質改善(2):『大阪・淀川市民マラソン』での初リタイアから学ぶこと」、「体質改善(3):長い将来にわたって走り続けるための幾つかの試みと新しいレース戦略」)。その教訓を生かし、高橋尚子の“江戸のかたきは江戸で”と同様に、“淀川のかたきは淀川で”討つことができ、また一歩前進することができて幸せです。


 今回履いたシューズ、"Zoom Air Katana Cage"についてですが、全体として衝撃吸収性能と反発性能がかなり高いことから、私のようなかなり体重のある長距離ランナーには使う価値のあるものではないかと感じています。逆に考えると、ひょっとすると私はこれまで自分の脚筋力レベル以上のシューズを履いていたのかもしれないとも感じています。それがひいては後半のいつものペースダウンにつながっていた可能性があり、今回の経験は、私のシューズ選びに新しい視点を与えてくれたものと考えています。これからも柔軟にシューズを選択してゆきたいと思っています。

              (2005年12月4日)